Saturday, March 12, 2011

23歳の誕生日

私、2011年3月11日で23歳になりました。

朝起きて両親に電話して、おばあちゃんのバースデーメッセージの留守電に笑いながらいつものように出勤して、バースデーメールとかもらっちゃって、夜のお誕生日会にむけていろいろ連絡とりながらせかせか昼の仕事に励んで


うちの会社の社長は人生で初めて会った同じ誕生日の人で、ランチで私にオニギリとおいなりさんを分けてくれて

デザートでみんなでアイスを頬張ってくだらない話で大爆笑しながら

「平和だねー」

と声を漏らし

撮影を終えて会社に戻ってきた上司と3人で心躍る希望に満ちた打ち合わせをして、あの瞬間あたしは明るい未来のこと以外何も考えてなかった

そしたらお尻がぐらぐらぐらぐら揺れだして

あ、地震だ

って最近多いねーなんつっていつものように地震が過ぎるのを待ってたら


あれ?けっ  こう 強い ね

なんて言ってるうちにお尻どころか視界と建物がぐらぐらぐらぐら揺れ始めて

これはヤバイ。ってみんな瞬時に判断してみんな持てる限りの地震の対処を一斉にとった。

ガタガタガタガタ....バターンガシャァーンバタバタバタバター!!!!!ッパリーン!!!!


見る見るうちに物が落ちてきて散乱して、新品のMacが狂ったみたいにバタバタ揺れて、棚なんて今にも倒れこみそうで

女の子の「冗談でしょ!!?冗談でしょ!!!!????」って叫ぶ声が聞こえて

慌てふためいて泣きだしそうな女の子が目の前にいて


机の下に非難してたら、人間より頭3つ分大きい仏像の写真パネルがゴーンって倒れてきて
「あ、あたしは誕生日に死ぬかもしれない」と一瞬冷静に思った自分がいて

んで思った直後に、さっきまであんっっなに希望に満ちた話をして老後までのヴィジョンまで想像してた自分が死んでたまるかクソッタレ!!!!!!!!!と思い直し、この地震にどう対処したらいいのかを必死に考えた

天井が落ちてくるかもしれない。全部無くなってしまうかもしれない。外に出なくていいのかな?むしろ外に出たら地割れしているかもしれない。

なんて考えてるうちに、最初の揺れが収まって。

また揺れるよ。とみんなで話していたときに、次揺れたらドーーーーーーーンッッて3回くらい揺れて次の瞬間には全てペチャンコになっちゃうんじゃないかと思った。本気で。

2回目の揺れも1回目同様すさまじくて。今大切な人たちがどうしてるのか無事なのか頭に浮かんで離れなかった。

2回目の大きい揺れが終わってもまだユラユラ揺れは続いてて、会社を閉めてそれぞれ会社にあった食料を持って帰宅した。


余震が終わって、窓から顔出して外の様子をぼーっと見ててフとビルの周りの空気に目を向けたら、真夏の炎天下の日みたいに空気がメラメラゆらゆら歪んで見えた。
あれー?地震で視界もおかしくなるのかな?って思って、何人かに「目、大丈夫ですか?」って聞いたけどみんなは何もなくて、あ、やっぱり見間違いかな?と思ってまたぼーっと見てみると、

まるで、地底と空気と天井は小さな小さな小さな物質でできた1つのキューブで、地底と大地で起きた歪みの調整に空気が間に合ってなくてざわざわざわめいてるような

空気が透明の炎みたいになってた。


地震で視界に何か影響が出てたんだと思うけど、ただ事じゃないことが起こってるなーって感じた。


池袋から歩いて帰って

雲は一旦木綿みたいに平たく真っ黒で











風が冷たくてざわついてた。

地震が起きたときは冷静だったけど、友達からの安否のメールが返ってきた瞬間、涙が止まらなくてボロボロ泣きながら池袋を歩いてた。


マグマのように燃え盛る炎

何百もの転がる死体

手荒な掃除のように一瞬で流された、人が築き上げた大切なものたち

一瞬で消えていった大切な人たちの命


いつもと同じ1日を過ごして、いつもと同じように明日がくると思っていた人たち

亡くなった人の家族や友達、その人の人生のことを思うと涙がとまらない




人に言われるまで自分が誕生日なんて忘れてたけど、みんなに「すごい誕生日になったね。」って言われた。

すごい日すぎてこの日自分が誕生日だったってことなんて真っ先に忘れそうだけど



この日、この地震を体感した人たちは何でこの地震が起こったのか考える義務があると思う。


一瞬ですべてを持ち去って未だ残った人たちへの恐怖を残す大津波。

科学的なことを抜かしたら、この地震は何を伝えたくて何をうちらに望んでるんだろう?



大地が割れて

海が大荒れして

工場が爆発して

大きな炎があがって

炎で有害物質が雲について

雨になってまた人間に返ってくる

大地にも返って有害物質はまた巡る



絶対、「地球をこんなことにした人間が悪い。」って言う人は山ほどいると思う

あたしもそう思う。でも、それだけじゃないと思う。


地震は、時代が変わる兆しだと思う。


被害を直接受けてないから他人事で言ってるわけじゃない。

今回の地震を、ちゃんと受け止めて考えた。

何人もの命を奪って想像を絶する、未だに信じがたい大惨事。


時は進む以上、人も進む。でも時代は回る。


NYの友達が

People cannot go on doing things the same old way, they must find new ways. Change can be good.
人はずっと同じ方法で前に進むことはできない。進むには新しい方法を探さなきゃいけない。変化は悪いことじゃないよ。

って。


今でも友達の声を聞いたりテレビを見ると涙は止まらない。
それでも悪いことばかりじゃないと思いたい。


今回の地震であたしは23歳になりました。

1988年3月11日、私は産まれてすぐに笑ったそうです

お母さんが産んでくれた23年後の同じ日に起こった地震の意味を

自分なりに、ちゃんときちんと受け止めた生き方をすることをちかいます。





今回の地震でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。

親族、友達、恋人の方が1日でも早く笑顔に戻れることを心からお祈りいたします。

まだ頑張っている被災者の方々が1日でも早く温かい場所で、温かいご飯を食べて回復できるように、自分でもできることを探します。

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